医療機関におけるトップレベルの食品衛生管理
言うまでもなく、病院や介護施設といった場所では、質が高くバランスの良い食事を提供しなければなりません。それと同時に、食品加工に使用するスペースを最大限活用することも必要です。このため、付随的なサービスに加え調理準備を外注するというのは合理的なことです。
医療機関に必需品を届けるドイツのProServは、最新技術を活用し全作業行程の効率化を図っています。ケルン郊外、Pulheimにある「Proserv Campus」では、1日あたり最大6000食分を用意しています。加えて、外科手術で再び使用される器材の消毒も請け負っています。
ProServでは、自動化を専門とする企業Knapp社が開発した、最先端の科学研究事務所用ロボットシャトルシステムを使用し、物品の受け取りや配送、配送依頼の管理、備品の自動補給を行っています。このシステムは2012年、医薬品の活用から始まりました。2018年に食品加工と消毒を一括して行う施設の新設を機に、ProServでは食事の保管と管理、器材の供給と消毒にも同システムを導入しました。
ケータリング部門では、調理法に示された食材がベルトコンベヤーで調理場まで運ばれてきます。調理が済むと、食事は再びベルトコンベヤーで冷却、保管に回されます。必要に応じて調理済みの食事はシャトルで回収され、トレイに入った食事を用意する担当者のもとに運ばれます。トレイの食事は包装され、配達時間になるまで保管されます。
ProServで品質・プロジェクト管理部門を統括するUdo Berger氏は、科学研究事務所用シャトルシステムの効率性を次に述べるように高く評価しています。「作業行程の無駄を省き、コスト削減につながっています。もともとあった倉庫では、24時間体制をとる必要がなくなり、そこで働く従業員を短期間で大幅に減らすことができました。新しい技術は、すぐに成果をもたらしてくれました。このシステムを導入する別の施設でも同様の成果が得られればと思っています。そこでは初の試みとして、冷却システムと組み合わせて使用する予定です。」
しかし、ギュントナー代表取締役であるMichael Freiherrは、その施設への冷却システムの導入は容易なものではなかったと言います。 「冷却装置を設置するのに十分なスペースがない上に、極めて高価なロボットが置かれているのです。ロボットや食品の上に水滴が落ちないよう注意が必要でした。やり方を誤ると、そういう事態が発生してしまいます。鍵は凝縮液を取り除くこと、それ以外にはありません。」凝縮した湿気は通常、天井に取り付けられたパイプを経由して除去されますが、そのパイプ自体が湿気を帯びることがあります。この問題は断熱によって解決する一方、その断熱材に雑菌が繁殖する恐れがあります。
冷却の契約を担当したSachsen-Kälte氏からこの難問について相談を受けた私達は、共に解決策を講じることにしました。難問の答えとなったのは、新製品、ギュントナーエアクーラーデュアルコンパクトDual COMPACTの開発でした。Dual COMPACTによって凝縮水ポンプの統合が実現し、それによって室内パイプが不要になるのです。「ユニットは清掃や点検用に中を開くことができます。食品加工室は定期的に清掃されるので、この点は重要です」とFreiherrは、説明します。
さらに、食品が保管・回収されるエリアを必ず一定温度に保たなければならないということ課題がありました。「シャトルが移動する通路は長いうえに狭く、また非常に高い位置にあります」と、Freiherr。「空気を循環させ、部屋の隅々まで一定の温度を保つ必要がありました。食品が確実に冷却され、温度の不均衡がどこにもないようにするためです。」
この問題を解決したのは、Cubic VARIOエアクーラー。同ユニットは、壁に向かっての空気の流れを作りだすギュントナーストリーマーを搭載しています。Freiherrは「これによって空気が下向きに流れ、よりよく循環するのです」と説明します。
Dual COMPACTクーラーは今ではギュントナーの標準製品になっていますが、もともとはお客様のニーズに応えたい、また、協力して新しいものを創りたいという思いが生んだ限定的な製品だったとFreiherrは説明し、次のように述べました。