水使用量を削減するスマート冷却技術
水は失われつつある資源です。国連による最近の報告書によると、世界で発生する干ばつの頻度と期間は2000年から30%増加、また気候変動がこの増加に拍車をかけ、状況は今後さらに悪化する傾向にあるとしています。すなわち、2050年までに世界人口の75%以上が水不足に直面する可能性があるのです。今、人類は「岐路に立っている」と報告書は結論づけており、水を保全し将来起こり得る干ばつ被害を軽減するための行動が緊急に求められています。
カナダ西部のアルバータ州も例外ではありません。「アルバータ州の住民の多くは同州には潤沢な水資源があると考えているが、実際には一部地域で既に水不足が現実のものとなっている。」同州のウェブサイトはそう述べています。2021年には州史上最大級の干ばつが発生、農作物に甚大な被害をもたらしました。
この出来事を受け、アルバータ州は教育や地域での推進活動を通じ、節水に全力で取り組んでいます。その1つの例となるのが、エドモントン市近郊に位置する町、ストーニープレインです。町は環境スチュワードシップ戦略を策定、今後20年間で自治体や地域の水消費量を20%削減することを目標としています。ストーニープレインにおける持続可能性の行く末を決定づける重要な取り組みです。
この目標に沿って、同町のアイススケート場Glenn Hall Centennial Arenaでは、水使用量を削減する方法を検討しました。カナダにおいてスケートは、文化の一部をなす重要な存在です。国内のある調査では、スケートは子どもに指導されるべき基本的な技術と考えていると92%の親が回答しました。
トロントにあるCIMCO Refrigeration社で営業本部長を務めるDavid Fauser氏は、次のように話しています。「私は2歳になる頃にはスケートをしていました。私の子どもたちも同じです。カナダでは、スケートは日常の一部なのです。」
CIMCO社は、Güntnerと同じく冷蔵および冷却業界で持続可能性の支援と推進に取り組んでいる企業であり、同スケート場の水消費量削減計画において理想的な事業者でした。成功の鍵となったのは、スケート場の冷却システムとして使用されていた既存の蒸発式コンデンサを、Güntner V-shape VARIO hydroBLU付きドライクーラー に置き換えることであったとFauser氏は話します。インテリジェントなハイドロパット式コンデンサである同製品は、スマートテクノロジーを採用しているため、周囲温度に応じて必要とされるときだけ水を使用します。温度、水と電力の消費量はすべてGMMnextコントローラーで監視されており、システムのニーズに合わせて運転モードを自動的に調整します。
Fauser氏が言うように、「従来と同様の機能を持ちながら節水もできるソリューションを提供することができれば、それはお客様にとって非常に理に適ったもの」となります。
Güntnerのドライクーラー 新設から1年、従来の蒸発式コンデンサと比較して98%もの節水が実現しました。また、エネルギー消費量と操業コストも大幅に削減されています。
ただし、Güntnerで営業本部長を務めるJascha Heynckが指摘するように、節水が重要となるのは、過去および現時点で干ばつの被害を受けている地域だけに留まりません。どこに住んでいても、私たちはこの貴重な資源を守るために可能な限りの努力をする必要があります。それはつまり、改善が確実な新しいソリューションを採用していくということです。